健康コラム

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痛みのある水疱~帯状疱疹について~

 汐田総合病院 皮膚科 高田 裕子 医師


 今回は帯状疱疹についてです。夏は帯状疱疹が多い時期と言われています。

帯状疱疹とは

 帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスが原因で痛みを伴う水疱(水ぶくれ)ができる疾患です。簡単に言うと水痘(みずぼうそう)の2回目です。幼少期に水痘にかかるか予防接種をしたあと、ウイルスは体内に潜伏しています。加齢や高血圧、糖尿病や悪性腫瘍などで免疫力が低下すると潜伏していたウイルスが活性化して、水疱と痛みが出てきます。

症状と治療方法 

 大半は体の片側に水疱が出来ます。水疱があれば外来で検査ができ、10分程度で結果が出ます。治療は抗ウイルス剤や鎮痛剤の内服になります。痛みは温めると和らぐことが多いので、シャワーやホットタオルを当てることをすすめています。しかし約1ヵ月程度痛みが続くことが多く、辛い場合はブロック注射や鍼治療で痛みを和らげることもあります。(自費治療となり、行う施設も限られます。) 
 3ヵ月以上痛みが続くと「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれます。痛みの程度は様々ですが、なかなか痛みが消えず、悩む方も多いです。

予防接種を受けましょう

 帯状疱疹は予防接種があり、50歳から接種できます。今年7月からは60歳以上の対象者には補助が出るようになり半額で接種できます。(対象者には自治体から郵便で通知が届きます。)
 今年の対象者の方は、年度末の期限まで半年しか期間がないため、早めの予約と接種をおすすめします。
予防接種は2種類あります。打ち方や値段に違いがあり、どちらを打つかはご自身の希望で決めていただきます。
 かからないように予防することも大切です。規則正しい生活習慣や適度な運動を心がけて免疫力が下がらないようにする。また症状が出たら早めに治療する方が痛みも軽いことが多いです。痛い水疱が出来たらシャワーを当てて痛みが軽くなるか試してみてください。そして早めに皮膚科外来を受診してください。

ワクチンの種類 生ワクチン 組換えワクチン
接種回数 1回 2回 接種間隔を2ヵ月あける
自己負担額(1回)自費 7,480円 26,400円
友の会料金(1回) 6,930円 24,200円
横浜市補助あり(1回) 4,000円 10,000円
接種条件 病気や治療により免疫の低下している人は不可 免疫の状態にかかわらず接種可能
接種後3年の予防効果 6割 9割

横浜市「帯状疱疹ワクチン接種のご案内」より

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