院長あいさつ

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汐田総合病院 院長 宮澤 由美

汐田総合病院の歴史は1953年に「働く者の医療機関」としてスタートした旧汐田診療所まで遡りますが、1960年の病院化、1987年の総合病院化、2001年の新築移転を経て、団塊の世代が後期高齢者になる2025年を迎えようとしています。横浜市鶴見区も京浜工業地帯の街から、高齢者や障害者、外国人なmiyazawaど多様な人が多様な価値観をもって暮らす街へと変わってきました。 

 全国的には人口減が進む中、首都圏の当院を取り巻く環境はまだ緩やかな人口微増が続き、中でも高齢人口の大幅な増加とともに更なる医療需要・介護需要が見込まれる地域です。その中で中核病院をはじめとする近隣の医療機関との機能分化と連携を深め、無料低額診療事業を核として、無差別・平等の地域包括ケアの拠点となるような病院を目指します。さらに、当院の目指すべき方向性として、「高機能ケアミックス病院」から「地域生活支援病院」への転換を図ります。「地域生活支援病院」とは一定の急性期・救急機能を備えながらも、回復期病床が充実した、地域住民の生活を医療を通して支援することに重点をおく病院です。差額ベッド料がなく、経済的要因で差別をせず、社会的弱者に寄り添う、無料低額診療施設としての社会的使命を果たすことは開院以来、守り通してきた理念です。理念を守りつつ、時代の変化に柔軟に対応できる医療機関でありたいと思っています。

「地域密着型多機能病院」として大きな一歩を(2024年04月09日)

 2024年度が始まりました。当法人も4月1日には34名の新入職員を満開の都桜(みやこざくら)が咲く中、迎えることができました。2023年5月8日に新型コロナ感染症が感染症法上、5類の位置づけに変更され、4年ぶりに入職式や入職後のオリエンテーションもほぼコロナ前と同じ対面で行うことができ、夢と希望を持った新入職員が職場に配置されました。この新入職員達がいかに明日の日本の医療を支える医療人として成長していくか、地域の皆様方にも見守って頂ければと思います。
 また4月1日をもって、神奈川県より地域包括ケア病棟に5床の増床配分許可を頂きました。これで汐田総合病院の入院病床は324床となりました。全国的にも1つの病院で地域包括ケア病棟162床は大変病床数が多い病院といえます。この地域包括ケア病棟と104床の急性期病棟、58床の回復期リハビリテーション病棟で入院診療を展開していきます。
 外来では2024年度はこれまでのかかりつけ機能重視型から、病院でしかできない高度医療機器を用いた検査や抗癌剤治療、入院前後の外来など、病院機能重視型へと転換を図ります。そして横浜市二次救急拠点病院として救急医療の充実・拡大に力を注ぎます。これまで、「地域生活支援病院」という造語を病院のコンセプトとして使用してきましたが、今後「地域密着型多機能病院」を目標にしたいと思います。横浜市東部地域の地域包括ケアへ貢献できるよう、大きな一歩を踏み出す一年にしたいと思います。

(注)「地域密着型多機能病院」とは一般急性期から回復期、場合によっては慢性期の患者も診るなど、多機能を発揮できる病院を指します。入院医療と地域包括ケアにとって重要な介護サービスや生活支援、重症化予防、リハビリ、健診などに地域の中核的な役割を果たします。