健康コラム

掲載日:

皮膚アレルギー(後編)

汐田総合病院 皮膚科 高田裕子医師

 

 今回は私の経験談と、気をつけたい皮膚アレルギーについてです。

 

私のアレルギー体験

 1年程前に美容院で白髪染めを勧められました。白髪染めを使用して3回目くらいの頃です。染毛して帰宅後、頭が無性に痒くなりました。翌日には痒みが無くなったので気にしていませんでした。次に染毛した時も帰宅後に痒くなり、我慢できずに染毛当日に洗髪しました。それでも翌日まで痒みが続きました。美容師さんと相談して、それ以降は染毛剤が地肌に触れないようにしたり、保護剤をつけてから染毛をしましたが、使用後の痒みが無くなったり軽くなることはありませんでした。
 検査はしていませんが、恐らく染毛剤のアレルギーだと思っています。一度アレルギーになると、治ることはありません。私の場合は白髪染めからヘアマニキュアに変更して痒みが出なくなりました。染毛剤のアレルギーは有名で、染毛剤の成分の中ではパラフェニレンジアミン(PPD)がアレルギーの原因であることが多いと言われています。染毛剤のアレルギーを発症した場合はヘナなど植物性の染料を使用するのがいいと言われていましたが、最近ではPPDの成分が含まれていない染毛剤も販売されるようになってきており、選択肢は増えてきています。

 

身近な皮膚アレルギー

 他に皮膚アレルギーを起こす原因としては、眼鏡、ゴム手袋、下着、ジェルネイル、金属など皮膚に触れるものだけではなく、魚、スパイス、ナッツ、小麦など、口から摂取するものが原因になることがあります。
 その中でも身近な皮膚アレルギーに湿布によるものがあります。ケトプロフェン(商品名モーラステープ)は日光に当たると症状が出ます。紫外線に当たると分解されて症状を引き起こす物質が含まれています。ケトプロフェンが処方されると「日光に当たる部分には貼らないように」という注意喚起が記載された用紙が同封されていて、薬剤師さんから説明があるはずですが、背中や腰に使ってみたら効果があり、夏場に肘や膝など皮膚が露出する部分に貼ってアレルギーを起こして受診される方が結構いらっしゃいます。これは使用方法を間違えなければアレルギーは起こしませんので、気をつけたら防げるアレルギーです。

健康コラムの一覧へ