健康コラム

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頭をぶつけたら(前編)

汐田総合病院 脳外科 朴穂貞医師

 こんにちは。脳神経外科の朴穂貞(ぱく すじょん)と申します。
 横浜市立大学の脳神経外科に所属しており、2023年10月から汐田総合病院に派遣していただいております。
 実は2023年4月、医師5年目(脳外科医3年目)になる年に第一子となる息子が生まれました!が、心臓病や口蓋裂などの様々な病気を持って生まれ、0歳にも関わらず2回も心臓の手術を行いました。全入院期間を合わせるとかれこれ3、4ヶ月息子は入院していて、親よりもはるかにたくさんの医療行為を受けております。患者さん、患者さん家族の気持ちが痛いほどわかり、それを教えてくれた息子には心から感謝しています。この気持ちを忘れずに、今後も診療に励みたいと思います。

 

頭をぶつけた時に心配なこと

 さて、脳外科医としてはまだまだ駆け出しの私ですが、本号では、「頭をぶつけた時にどうすればよいか」についてお話ししたいと思います。
 汐田総合病院に派遣されて、まだ半年も経っていませんが、すでに何人もの頭をぶつけた方を診療させていただきました。棚に頭をぶつけたといった軽微なものから、トラックの荷台から転落した方など、様々でした。
 頭をぶつけて一番怖い病気は、頭の中に出血が起こることです。専門用語では、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷などと診断名がつきますが、出血の程度によっては様々な症状が出て、あまりに重症だと手術を行うことがあります。

遠慮せずに早目の受診を

 軽い打撲であれば、頭の中で出血することはあまりないのですが、血液さらさらの薬を内服している方は、飲んでいない方よりも出血をきたす可能性が高く、注意が必要です。
 病院で頭のCTを撮ることで、出血しているかどうかがわかりますが、「こんなことで病院を受診するのは申し訳ない」と、家で様子を見てしまったり、受診せずに済ませてしまう患者さんも多く見られます。
 頭の中の出血があると、時間が経って徐々に大きくなってきたり、なぜか体のミネラルのバランスが崩れてきたりと、入院して様子をみた方がいいことが多いので、特に血液さらさらの薬を内服している患者さんは、頭のCTを撮りに来院していただければと思います。
 また、その際にできた傷に関しても、病院では専門的な処置ができますので、お気軽にご相談ください。

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