健康コラム

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睡眠時無呼吸症(2)

汐田総合病院 耳鼻咽喉科 塩野 久子医師

 前月に引き続き、今回は睡眠時無呼吸症の治療についてお話します。

 原因になる病気があれば、その治療を行います。また睡眠時無呼吸症の程度や状態により治療を選択することになります。

軽症と軽症に近い中等症の人

 正常でも1時間に5回くらいのいびきや無呼吸があります。軽症なら様子をみていただくこともありますが、寝る前の飲酒や肥満は悪化の原因になるので、生活習慣の見直しも必要です。横向き寝や、いびき対策用のマウスピースが効果的な方もいます。

重症に近い中等症と重症の人

 CPAPという呼吸補助具の適応になります。これは鼻や口から呼吸にあわせて空気を送り込む機械です。治療機械ではないので使用しないと元に戻りますが、原因に関係なくまた重症の方にも効果が期待できます。顔にマスクをつけ寝るので慣れるのに2~3か月かかることもあります。

 扁桃摘出・口蓋形成術、鼻閉改善の鼻の手術などもありますが、重症の方は手術で治すのは難しく、多くはCPAPを効果的に使用するために行います。

 睡眠時に呼吸が止まるということは、このまま苦しくなって死んでしまうのではと心配になるかと思いますが、この病気は一定期間呼吸が止まると睡眠が浅くなり呼吸を再開しますので、心臓・血管や脳の病気を起こさない限り死んでしまう病気ではありません。見ていて心配な時は肩をたたいたりしておこすと呼吸を再開します。

 たかがいびき、されどいびきです。それによって質の良い睡眠がとれなくなったり、病気の危険が高くなります。健康には良い睡眠も必要なのです。  

 自分でできるチェックリストをご用意しました。当てはまる項目が多い方は、一度医師にご相談したほうがいいでしょう。

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表)セルフチェック ~このような症状はありませんか~

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