健康コラム

掲載日:2015年10月29日

胃がんは、早期発見、早期治療でほぼ完治


汐田総合病院 外科医長 皆川 輝彦医師

●胃癌(いがん)の疫学:平成26年の死因順位をみると、日本では癌による死亡数が36万8103人で、死亡総数の28・9%を占めており、死因の第1位となっています。そのなかでも胃癌は罹患率が最も高く日本人が一番なりやすい癌です。胃癌で亡くなる人の数は男性では肺癌につづいて第2位、女性では大腸癌、肺癌につづき第3位となっています。

●胃癌検診の受診方法:胃癌検診の受診方法としては、お住まいの市区町村の癌検診に申し込むか、働いている方は職場の定期健康診断に合わせて施行されることもあります。今後、胃癌検診の対象年齢の引き上げや、検診間隔の延長が予定されていますが、現在は胃癌検診の対象者として40歳以上、年一回となっています。

●胃癌検診の方法:胃癌の一次検診は問診、胃X線検査が行われておりますが、2014年からは胃内視鏡検査も一次検診の方法として推奨されるようになりました。一次検診で異常があれば二次検診を受診し、異常な部分が胃癌であるかどうかを調べることになります。

●その他の検査:その他の検査としては、人間ドックなど個人で受ける検査があります。検査の内容としては、ペプシノゲン検査やヘリコバクターピロリ抗体検査があります。

●胃癌になる前に萎縮性胃炎という病態がみられることがあり、萎縮性胃炎になるとペプシノゲンという物質が減少するため、血液検査でペプシノゲンを測定して萎縮性胃炎の有無を調べるのがペプシノゲン検査です。

●胃癌発生の原因として、多量の塩分や香辛料の多い食べ物の摂取、多量のアルコール飲酒、喫煙、などの他にヘリコバクターピロリ菌の感染が関係しているといわれています。ヘリコバクターピロリ菌の抗体を測定し感染があるかないかを調べるのがヘリコバクターピロリ抗体検査です。

●注意点としては、この2つの検査は直接胃癌があるかどうか調べるわけではなく、またこの検査が陽性だからといって胃癌になるというわけでもありません。

●最後に:胃癌は、早期発見、早期治療することによりほぼ完治することが可能とされています。そのためには、胃の症状がなくても胃癌検診を受診することが何よりも重要です。また胃癌検診の対象外でも、何か症状がある方、気になることがある方は当院外科外来受診をお勧めします。