健康コラム

掲載日:2015年10月16日

認知症に優しい街を一緒につくりませんか


認知症を学んでみませんか?

 2007年から超高齢社会になった日本では、認知症の人が増えています。まず、認知症を知って、できるところから、身近な仲間どうしで〝認知症に優しいまちづくり〟に一緒に足を踏み出してみませんか?まずは、認知症について知ることから始めてみましょう!

認知症は脳の病気

 厚生労働省研究班(代表・朝田隆筑波大教授)の発表によると2012年時点で認知症の人は約462万人、MCI(軽度認知障害)の約400万人とあわせると約800万人いると推計されています。認知症はさまざまな脳の病気により、認知機能が低下した状態をいいますが、高齢になればなるほど多くなる病気です。85歳以上は4人に1人が認知症になると言われ、超高齢社会に突入した日本ではいまや糖尿病や高血圧と同様に一般的な病気と言わざるを得ません。

 認知症になった場合の症状としてもの忘れや計算障害、うつ傾向などが知られています。買い物の際に同じ物ばかり買ってくる、おつりの計算ができない、家事の段取りや手際が悪くなる、外出したがらないなどで気づかれることが多いようです。

 鶴見区では以下のような医療機関で主に「もの忘れ外来」が行われており、受診すれば診断を受けることができます。

鶴見区の主な「もの忘れ(認知症)外来」

○うしおだ診療所もの忘れ外来
重度認知症デイケアを併設、3名の医師が対応

○汐田総合病院認知症外来
従来の認知症外来に加え、認知症鑑別診断外来を検討中

○済生会横浜市東部病院 メモリークリニック
 認知症疾患医療センターとして指定、かかりつけ医の紹介状要

○ふれあい鶴見ホスピタル もの忘れ外来
 認知症カフェを併設

予防するには?

 認知症を予防するにはどういう方法があるでしょうか?大変関心の高い点です。
 これまで言われていたのは①野菜や魚(特にDHAやEPAを多く含む)を中心にした食生活②適度な運動③知的な刺激がある生活④酒やタバコは止めることなどでした。最近ではこれに加えて、中年期から糖尿病、高血圧などの生活習慣病をコントロールしたり、予防したりすることが認知症の予防につながるという指摘が注目されています。

 またコグニサイズという体操の方法やオリーブオイル、豆、野菜、魚を中心とした地中海食なども認知症の予防として紹介されています。

 数人の仲間と一緒に認知症の予防に役立つ体操や食事をするような場があると生活の刺激になっていいですね。よこはま健康友の会の班会やふれあい食事会のような集まりがもっと増えると鶴見の街も少し変わっていくのかもしれません。

 認知症サポーター養成講座は「認知症を理解し、認知症の人や家族を見守り、認知症の人が安心して暮らせる街作りを市民の手で展開する」サポーターを養成するための講座です。二時間程度の講義を受けるとサポーターの印であるオレンジリングが受け取れ、自分のできる範囲での活動をすればいいことになります。

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講座終了後、授与されるオレンジリング

 汐田総合病院にはこれを開催し、講師や進行を務めるキャラバンメイトが複数います。サポーターとしての活動は少しそぶりが気になるお年寄りに声をかけたり、むこう三軒両隣の安否を気づかったりと些細なことから始めましょう。

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サポーター養成講座の様子

認知症に優しい街づくりを!

 高齢化が進む日本社会が成熟した社会になるには認知症の人や家族に暖かく、優しい街づくりが欠かせないと思います。私たちが住む鶴見の街を「認知症に優しい街」にしませんか?そういう街づくりを一緒にしませんか?多くの人に出会い、仲間になれることを願っています。

★お2人でも「認知症」について知りたい方は、職員が出向き、お話します。


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宮澤 由美

汐田総合病院リハビリテーション科部長。
日本認知症学会専門医。

著書に「認知症に向き合う本~治療・予防・介護のアドバイス」(新日本出版社)。今年9月に「社会とともに歩む認知症の本」(同)を出版。

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「社会とともに歩む認知症の本」(新日本出版社)

認知症800万人時代に社会はどう備えるか。当事者、家族、医療・介護従事者に必須な専門知識も紹介。

<目次>

第一章 予想を超えて増える認知症
第二章 明るい認知症闘病生活をめざして
第三章 深刻化する認知症患者
第四章 未来を夢見て連帯の力で