健康コラム

掲載日:2015年7月27日

気になる子どもの成長(4)「子どもの成長障害の早期発見のために。急に大きくなった子どもから見つかる疾患 思春期早発症」


汐田総合病院 小児科 冨澤明子医師

前回は成長率の低下から見つかる疾患についてご説明しましたが、今回は逆に急に大きくなった子どもから見つかる疾患、思春期早発症についてお話し致します。

 標準的に2次性徴が出現する年齢より早く思春期が出現する疾患を思春期早発症と言います。標準的には、女児は9歳ごろから乳房腫大、男児では11歳ごろから精巣腫大で開始します。乳房腫大は片側ずつ始まることもあります。その後恥毛・腋毛出現し、思春期後半には女児は初潮、男児は声変わりを迎えます。この時期に一致して思春期スパートが起こり、身長が年間に女児では7~8㎝、男児では最大で1年に10㎝前後伸びます。そしてスパートが終了すると次第に身長伸びは緩やかになり、身長ののびが止まります。

618-1 思春期早発症診断手引きでは、女児では7歳半未満で乳房腫大、8歳未満で陰毛発生・腋毛発生、小陰唇の色素沈着など外陰部早期成熟、10歳半未満で初潮発来、男児では9歳未満で精巣・陰茎・陰嚢の明らかな発育、10歳未満で陰毛発生、11歳未満で腋毛・ひげの発生や声変わり出現となっています。該当する場合は母子手帳や学校での健診の記録など成長の記録を持参して早めに小児科外来受診をお勧め致します。

 思春期早発症では早期に一時的に急激な身長促進を認め大きくなりますが、性腺ホルモンの影響で骨の成熟も早くなり、早く身長ののびが止まり最終的には低身長になります。

 女児では思春期が異常に早く出現する原因が認められないことが多く、男児では脳腫瘍や精巣腫瘍など悪性疾患が基礎にある場合が多く、早期に原因精査が必要です。

 これまで4回に渡り小児の成長障害の診療について取り上げましたが、多くの場合熱や下痢などの急性疾患と異なり徐々に慢性に進行するので、発見が遅れる場合が少なくないのが特徴です。多忙な毎日だと思いますが、1日1度は家族で食事をして、よく子どもさんを観察する時間を持っていただければと思います。