健康コラム

掲載日:2019年6月4日

睡眠時無呼吸症


汐田総合病院 耳鼻咽喉科 塩野 久子医師

 睡眠時無呼吸症というと太った人が大きないびきをかくイメージでしょうか。日中の眠さのためバスやトラック事故の原因としてニュースで聞いたことがあるかもしれません。今回は、大人の睡眠時無呼吸症についてお話します。

 鼻やのどで空気の通り道が狭くなって音がするのが、いびきです。さらに狭くなると空気が通らなくなり、いびきはなくなりますが無呼吸となります。

 大きないびきをかくだけでなく質のよい睡眠がとれなくなるため、仕事や勉強に集中できなくなったり我慢できない眠さにおそわれ事故の原因にもなります。また、将来的に高血圧症、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞などの病気をおこす危険が増すことがわかってきました。

4-診療ウォッチング_664号

さまざまな原因

 睡眠時無呼吸症は単一の原因でないため治療が難しくなります。

○睡眠時無呼吸の原因

  • 体重の増加・鼻の病気
  • 舌の大きさ
  • 扁桃や口蓋・口蓋垂の形、あごの形
  • 肺活量・筋力の低下など

 小顔であごの小さい人も舌の大きさによってはいびきの原因になります。お酒や眠剤でいびきが悪化することもあります。では、どのように診断していくのでしょう。

問診・診察

 日常の様子を聞いたり、鼻やのどに狭い場所がないか診察します。睡眠時無呼吸症の疑いがあれば、終夜睡眠ポリグラフ検査を行ないます。寝ている間の様子を調べるもので、簡易検査と精密検査があります。装置をつけて寝ていただきますが、いずれも痛みを伴う検査ではありません。

・簡易検査

 装置を付けて、自宅で寝ている間の呼吸状態を調べます。この検査で、軽症・重症の目安がつきますが、グレイゾーンの方は次の精密検査を行って判断します。

・精密検査

 病院に一泊していただき、呼吸状態だけでなく脳波も測定できる装置をつけます。これらの結果をみて、治療を行います。

①いびき・無呼吸があると

②肺に十分な酸素が届かない

③血液中の酸素が低下する

④それを補うために、血圧が上がったり頻脈になる

⑤血管・脳・心臓へ負担がかかる

⑥将来、心筋梗塞や脳梗塞等などの心臓や脳の病気の危険が増す。