健康コラム
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意外と身近なパーキンソン病 ――ふるえだけではない、日常の「動きにくさ」――
汐田総合病院 脳神経内科 南雲 清美
パーキンソン病と聞くと、「手がふるえる病気」というイメージが強いかもしれません。しかし、当院に通院中の患者さんの初期症状を振り返ったところ、多くの方が「日常のちょっとした動きにくさ」から発症していることがわかりました。
■ 多様な症状の始まり
患者さんの最初の訴えを分析すると、大きく分けて次のような特徴が見られました。
- ・片側の手足のぎこちなさ(使いづらさ)から始まり、ふるえを伴うタイプ
- ・歩行の違和感(すり足になる、足が出ない)や、体の中心(体幹)の動きの悪さ(ベッドで寝返りが困難、車の乗り降りがスローになる)が目立つタイプ
発症は40歳から80歳までの幅広い年齢層に見られました。中には脳卒中で通院中の方や、うつ病から始まる方もいます。ふるえがないまま病気が進むケースは3割に見られました。

■ 日常生活に隠れた小さなサイン
たとえば、以下のような症状に心当たりはありませんか?
- ・手先: 箸や歯ブラシが使いにくい、キーボードが思ったように打てない、字が小さくなった
- ・足元: スリッパが履けない、足があげづらい
- ・全身・声: 布団を自分で剥がせない、後方に倒れる、滑舌が悪い
- ・歩き方: 前のめりに歩く、突進する、歩幅が狭い
- ・ふるえ: 気づくと手、足がふるえている、スマホやグラスを持っている手がふるえる
■ 周囲の人の「気づき」がカギ
厄介なのは、こうした変化が少しずつ進むため、ご自身だけでは受診につながらず、ご友人や身内の方から「体の動きが遅い」「姿勢が前かがみだ」と指摘されて初めて、受診した方が少なからずいらっしゃいます。
■ 気になる症状があればご相談を
「最近、手がふるえて字が小さくなった」「スリッパが履けない」――それは、脳からの大切なサインかもしれません。パーキンソン病は、薬物療法とリハビリをすることで、仕事や自立した日常生活を維持していくことが可能になります。気になる変化があれば、早めに「かかりつけ医」や「脳神経内科」へご相談ください。