健康コラム

掲載日:2021年3月9日

鼻の疾患 ~副鼻腔疾患について~


汐田総合病院
耳鼻咽喉科
和田 弘太医師

 鼻の病気としては、アレルギー性鼻炎や通常かぜである鼻炎が挙げられます。しかし、副鼻腔炎や鼻・副鼻腔腫瘍など手術が必要になる病気が隠れていることもあります。今回は、副鼻腔疾患を中心に説明をさせて頂きます。

 鼻・副鼻腔の病気は、鼻閉、鼻汁(水性、膿性)、鼻出血、嗅覚障害、後鼻漏、頬部痛、頭痛など様々な症状を呈します。

副鼻腔炎について

 『蓄膿症』というと分かりやすいかもしれません。感冒や虫歯から副鼻腔(特に上顎洞)に膿が溜まり頬の痛みや後鼻漏(鼻の奥に鼻汁が溜まり、のどに落ちてくる鼻汁)などが生じる病態です。これは抗菌薬など薬で改善することも多いです。虫歯が原因であれば歯科治療で治ることもあります。

 しかし、最近は好酸球性副鼻腔炎という副鼻腔炎が増えてきています。この副鼻腔炎は細菌の感染は関係がなくご自身がもつ素因によって起こります。この好酸球性副鼻腔炎の方は血液中の好酸球の割合が高く、鼻にポリープができ、嗅覚の障害を来すことが多く、気管支喘息やアスピリン喘息をお持ちの方が多いのも特徴です。

 症状の程度にもよりますが手術が必要な事もあります。手術は鼻の孔から内視鏡をいれて行います。最近は全身麻酔で行いますので手術において痛みはありません。鼻閉が改善すると睡眠の質も良くなります。嗅覚が弱いと感じている方は早めに対応ができれば嗅覚が回復することも多いですので、耳鼻咽喉科の受診をお勧めいたします。

特殊な副鼻腔疾患について

 急に片鼻だけ鼻閉が出てきた、出血があるという時に注意が必要な時もあります。ほとんどの場合はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症ですが、腫瘍などが隠れていることがあります。腫瘍には内反性乳頭腫という良性腫瘍から悪性腫瘍(癌)の時もあります。内反性乳頭腫は良性腫瘍ですが、基部を確認し確実に切除をしないと再発します。まれに癌化することもあるため注意が必要です。

 少し血が混じる程度の鼻汁がある場合にも癌が隠れている時があります。最も多いのは上顎洞癌ですが、若い方にも嗅神経芽細胞腫という特殊な悪性腫瘍もあります。

 鼻の中の観察は耳鼻咽喉科医でなければ十分に行うことができません。鼻の症状でお困りの際は、耳鼻咽喉科を受診していただければ幸いです。