健康コラム

掲載日:2020年9月2日

食欲の秋に考えよう「高齢者の減量はバランスよい食事で」


汐田総合病院 初期研修医
河野 万希子医師

 秋は旬の食材が多く、食べ物が美味しい食欲の季節です。一方で体重の増加や健康への影響も心配になり、減量に取り組もうという人も多いのではないでしょうか。しかし、減量も方法を間違えると健康を損なうことがあります。肥満に注意しながらも適正な減量に心がけましょう。

内臓脂肪の蓄積に注意

 メタボリックシンドロームという言葉を耳にしたことがあると思います。体重が増加すると内臓脂肪が蓄積して「肥満」と言われる状態になります。

 蓄積した脂肪からは様々なホルモンが分泌されます。血糖値やコレステロールなどの脂質値や、血圧などに影響をもたらす悪いホルモンが増加していき、逆に動脈硬化を抑制して血糖値を下げる働きをする良いホルモンは減少してしまいます。

 動脈硬化が進行すると糖尿病や高血圧症が発症し、最終的には命や生活全般に関わる病気の発症につながります。健康を維持するには内臓脂肪を減らすことが重要です。

筋肉量の維持が大切

 高齢者におすすめする減量は、4ヶ月くらいゆっくり時間をかけて、カロリー制限はあまり意識せず、タンパク質やビタミン・ミネラルを十分摂取しながら食事をしていくことです。さらにできれば、歩いたり自転車に乗るなど軽い有酸素運動をしましょう。難しい場合は1日40分以上動くことを心がけ、筋肉量を維持することが大切です。

 食事は「一汁三菜」と昔から言うように、主食(ご飯・パン・麺類等)と汁物、主菜(肉・魚・卵・大豆のおかず)、副菜(野菜のおかず)を意識して組み合わせましょう。

 主菜に含まれるタンパク質は筋肉の材料になるので、筋肉量の維持のためには特に意識しなくてはならない品目です。肉や卵、魚介類、豆腐、豆類に豊富に含まれていますが、肉類は高エネルギーなので脂質の少ないものを選びます。

野菜などは両手いっぱいを3食で

 ビタミン・ミネラルを摂取するには野菜や海藻類、キノコ類がおすすめです。目安は1日350グラムで、両手にいっぱいになるくらいの量を3食で摂取することが好ましいとされています。

 特に緑黄色野菜にはビタミンA、ビタミンC、鉄が多く含まれています。加熱を要するものが多いので、温野菜やスープなどで摂ると容易です。

 また、野菜は生よりも火を通した方が多く食べられます。具沢山の味噌汁やお鍋にして食べたり、茹でた野菜を常備しておき、主菜の付け合わせにすると比較的食べやすくなります。

 実りの秋を存分に味わうために「バランス良く、適量を美味しくいただく」ことを毎日の生活で意識して、健康を維持しましょう。