健康コラム

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熱中症「患者の半数は65歳以上、室内でも気を付けて」

汐田総合病院 初期研修医 熊坂耕平医師

 今年は新型コロナの影響で、猛暑の中でもマスクを着けるといった今までにない夏の過ごし方をしなければなりません。

 特に高齢者は要注意です。体内の水分量が少なく、体温調節機能も低下しているため、脱水症や熱中症にかかりやすくなっています。熱中症患者のおよそ半数が65歳以上です。就寝中など夜の室内でも多く発生しているので注意が必要です。

朝食はしっかりと

 熱中症の予防として、朝食をしっかり食べましょう。夏野菜や果物は、汗で失われた水分やミネラルの補充に適しています。特にキュウリを少量の味噌や塩と一緒に食べると、塩分補給にもなって効果的です。このほか大根、ミニトマト、カブなどを切ってポン酢に漬けたピクルスは、簡単なメニューで手軽に野菜を食べることができます。

 水分補給については、たくさん汗をかいていない時は水や麦茶で補えます。炎天下で汗をたくさんかいた時はスポーツドリンクを飲んでもいいですが、飲みすぎは高血糖になることがあるので気をつけましょう。

 また、就寝時の夜中にトイレに起きるのが面倒でも、寝る前にコップ1、2杯程度の水分を摂取しましょう。

室温は26〜28度

 住宅内で熱中症にかかった人のうち、9割近くはエアコンがないか、あっても停止中だったという統計があります。適切なエアコンの使用が重要です。室温26〜28度を目安に、冷風が直接あたらないように自分の居場所を考えて使います。普段いる部屋に温度計や湿度計を置くのも大切です。

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 また、レースのカーテンで日差しを防いだり、扇風機を使って涼しい空気を室内に循環させるといった工夫もいいでしょう。

若い人も気を付けて

 高齢者に多い熱中症ですが、若年層にも発生しています。建設業や製造業をはじめ、労働中に熱中症を発症して4日以上休業した人は、2019年では790人でした。予防として扇風機・ミスト噴霧器・冷水機の設置や、日除けの帽子の着用があります。暑さに慣れていない頃や、急に暑くなった日にはこまめな休憩が必要です。

もし、熱中症になったら

 予防を心がけていても熱中症になってしまうことがあります。足がつる、めまいがする、立ちくらみがするなどの症状が出たときはすぐに涼しい日陰に移動し、水分と塩分(梅干しなど)をとりましょう。

 また衣服を緩め、風通しをよくします。首や脇の下、太ももの付け根など太い血管が通っている場所に冷やした飲み物のペットボトルや氷嚢を当てて、血液を冷やすことが効果的です。

 頭痛、吐き気、意識がボーっとする、呼びかけに応じない、自力で水分摂取ができないなど、様子がおかしい時は速やかに医療機関で受診を。意識がない場合は誤嚥することがあるため、無理に水分を飲ませてはいけません。

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