健康コラム

掲載日:2020年6月10日

おしりの病気について


汐田総合病院 外科 甲田 貴丸医師

 痔などでおしりの悩みを抱えている患者さんは成人の3人に1人以上といわれ、虫歯と同じくらい身近な病気ですが意外とよく知られていません。おしりを診察される恥ずかしさや治療に対する不安で一人で悩んでいる方が非常に多いと思います。今回はおしりの病気についてご紹介します。

 外科では、おしりの病気の診察・治療を積極的に行っていますので、おしりの悩みを克服するきっかけにしていただければと思います。

【タイプと症状】

 痔とはおしりの病気の総称で、大きく痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(切れ痔)の3つのタイプに分けられ、これらを3大肛門疾患といいます。

▼ 痔核(じかく)

 痔核は3大肛門疾患のなかでも最も多く、約6割を占めます。痔核は長年の排便時の「いきみ」や長時間の同じ姿勢などが原因で肛門の血管がこぶ状に腫れてくるものです。

 症状は、痛みに加え出血することもあり、その部分を支える組織が弱くなり肛門の外に出てくることがあります。肛門の外に痔がでる(脱出)と手術の対象となります。

▼痔瘻(じろう)

 下痢などのおしりへの刺激や感染により、おしりの周りに感染をきたし膿がたまった状態を肛門周囲膿瘍といいます。症状としては多くの場合、肛門周囲の激痛と発熱を来します。

 処置により膿を排出すると一時的に症状が楽になりますが、炎症性にできたトンネルが残った状態になったものが痔瘻であり手術が必要となります。

▼ 裂肛(れっこう)

 下痢や硬い便による刺激などで、肛門の粘膜がさけて傷がついた状態です。出血は紙に血が付く程度ですが激しい痛みを伴うため排便を我慢して便秘が悪化しさらに症状を悪化させがちとなります。軽傷の場合はお薬で治りますが、慢性化すると傷が硬くなりお尻が狭くなったり、肛門のポリープなどの突起物ができる事があります。

【治療】

 痔の治療は規則正しい排便習慣や食生活の改善などの生活療法が基本となります。

 その上でお薬や簡単な処置で治療を進めていくことが多いです(痔瘻の場合は手術が全例で必要となりますが、おしりの病気全体としては手術が必要な患者さんは1〜2割です)。

 外来では、当科で作成した排便に関するパンフレット、おしりの病気に対する生活指導のパンフレットを作製し配布していますのでお気軽にお声掛けください。

 おしりの病気だとご自身で考えていても、実は大腸に病気が隠れていることもあります。外科では大腸の内視鏡検査などの全身の検査も積極的に行っております。

 また、肛門から直腸が脱出する「直腸脱」に対しても当科では積極的に治療を行っておりますので、ご相談ください。