健康コラム

掲載日:2019年10月7日

高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種について


汐田総合病院 院内薬局 薬剤師 門脇 恵津子

高齢者ほど注意したい肺炎

 日本では高齢化が急速に進み、国内の死亡原因にも大きな変化をもたらしています。治療薬の開発で減少傾向が続いていた肺炎が再び増加傾向となり、脳血管疾患をおさえ死亡原因の3位となりました。特に高齢になるほど死亡率が高く、肺炎で亡くなる方の97%以上を65歳以上の方が占めている現状です。

 熱はないが体がだるい、夜になると咳が出るといった症状を風邪と過信して放置していませんか?風邪と肺炎は全く異なる病気です。高齢者の肺炎の症状は、若い人に比べて高熱が出にくく、分かりづらいのが特徴です。周りで何となく元気がない、食欲がない、寝てばかりで動かない、意識がはっきりしない様子の方が見られたら、肺炎を疑って診察を受けられることをお勧めします。

 日常的にかかる肺炎の原因菌として、一番多いのは肺炎球菌と言われています。風邪には季節性がありますが、肺炎には季節を問わず一年中かかる可能性があり、体力、免疫力が低下されている高齢者の方は肺炎が重症化する恐れもあります。

肺炎の予防にワクチン接種を!

 肺炎を予防する方法として、肺炎球菌ワクチンの接種があります。肺炎球菌ワクチンを接種すると病気に対する免疫ができ、細菌が体内に入った時に発症を予防し、症状を軽くすることが出来ます。ワクチン接種によって、肺炎球菌による肺炎の約80%をカバーできると言われています。個人差はありますが、1回の接種で予防効果は5年以上持続するという報告があります。

 2014年10月から肺炎球菌ワクチンが定期接種化され、公費助成を受けられるようになりました。65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の誕生日を迎える方が対象となります。

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 60~65歳未満の方のうち、下記の疾患等をお持ちの方は公費対象となる場合がありますので、詳細はお近くの役所にお問い合わせください。

  • 心筋梗塞、狭心症などの心臓の病気をお持ちの方
  • 喘息、COPDなどの呼吸器の病気をお持ちの方
  • 糖尿病、腎臓の病気をお持ちの方
  • 抗がん剤の治療を受けられている方
  • 免疫抑制剤の治療を予定されている方

肺炎にかかると、重症化して命の危険性があります。予防のために日常的なうがい・手洗い・マスク着用も重要ですが、65歳以上の方や持病のある方は、出来るだけワクチン接種により肺炎を予防しましょう。

 公費対象の年齢でない方(自費)も、友の会会員の方はご負担が軽くなりますので担当の職員に問い合わせてください。