健康コラム

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腰痛について(3)「骨粗鬆症」

汐田総合病院 整形外科 小和瀬 智子 医師

571骨粗鬆症とは、骨の中のカルシウム、タンパク質、リンの量が減少するため、骨の密度が小さくなり、骨が非常にもろくなる状態をいいます。

高齢者、とくに閉経後の女性に多く起こります。

腰や背中に慢性的な痛みやだるさを感じたり、夜中に体を急に動かしたときに、腰や背中に鋭い痛みを感じたりすることのある人はこの病気の疑いがあります。

どんな人が骨粗鬆症に?

骨粗鬆症はさまざまな原因で起こります。カルシウム不足・女性ホルモン不足・ビタミンD不足などがその主な原因です。次のような人が骨粗鬆症になりやすいといわれています。

1,喫煙する人 2,大酒飲みの人 3,やせている人 4,ステロイド服用歴 5,家族が骨粗鬆症であった 6,運動不足 7,カルシウム不足

また、最近では歯周病との関連も指摘されています。

食事・運動・日光浴が大切

骨粗鬆症は予防が大切です。基本は、食事と運動・日光浴です。

食事療法は、1、カルシウムを十分に 2、ビタミンDをとる 3、タンパク質は適量を 4、塩分のとりすぎに注意 5、リン・マグネシウムも必要(でも、リンのとりすぎに注意) 6、アルコールは控えめに 7、喫煙に注意 以上を心がけて下さい。また、合わせて、ビタミンB6・B12や葉酸の摂取も必要だといわれています。

健康な骨を保つためには、骨にある程度は力がかかる必要がありますので、適度な運動が必要です。適度な運動は骨を丈夫にする効果があります。

また、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助けるビタミンDは、日光を浴びることで増やすことができますので、日差しが強いときは木陰で短時間、日差しが弱いときは20分~30分程度散歩をしましょう。

定期的な検査を

骨粗鬆症では、内服や注射による治療を必要とする人もいます。放っておくと、骨折をおこし、背骨が曲がってきたりします。そのために、痛みが続いたり、動けなくなったり、肺や心臓の機能が低下するなど重症となることがあります。定期的に骨密度などの検査を受けるよう心がけましょう。

*次回は、最終回、腰痛の予防についてです。

「暮らしとからだ」第571号(2011年9月1日付)

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