健康コラム

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腰部脊柱管狭窄症とは?

汐田総合病院 初期研修医 海野保人医師

 

症状は?

 おしり(臀部)から足(下肢)にかけてのしびれや痛み、脱力、神経圧迫が原因で起こる「間欠性跛行」が起きます。間欠性跛行とは、しばらく歩行すると痛みやしびれなどの症状が出現し、増悪することにより歩行が困難になりますが数分間の休息をとることによってふたたび歩行が可能になる症状のことです。
 間欠性跛行には種類がありますが、神経性の場合は前かがみ(前屈)やしゃがむ姿勢をとることによって神経の圧迫が解除・軽減され出現した症状が速やかに消えます。
 他には重症の場合膀胱直腸障害といって排尿や排便がしにくくなります。

 

腰部脊柱管狭窄症の治療は?

 腰部脊柱管狭窄症は自然軽快することが多いため、まず症状を緩和するだけの治療を行い、症状の経過を見ます。排尿や排便に支障をきたす膀胱直腸障害や感覚異常、下肢の脱力が強い場合などには、自然軽快することが難しいので手術による治療を検討します。

 

腰部脊柱管狭窄症の手術とは?

 脊髄神経の圧迫を解除するために飛び出した脊椎を削るなどをして、これ以上神経に傷を負わせないために予防を兼ねた治療になります。手術療法の名前は除圧術、固定術、制動術といいます。

 

腰部脊柱管狭窄症にならないために!

 椅子に腰かけるときにできる予防としては、腰へ手を当てたときに触れることのできる出っ張った左右の骨が同じ高さであること。その出っ張った骨と下腹部にある恥骨を結んだ線が地面と垂直であること。左右のお尻に均等に体重が乗っていることが大事です。他に、日本人はカルシウム摂取量が低く、普段から意識して魚などのカルシウムが多い食品を取ることも意識しましょう。

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