健康コラム

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糖尿病について(前編)

汐田総合病院 総合診療科 石川詩織医師

 こんにちは。総合診療科の石川詩織と申します。
 2013年より汐田総合病院に入職し、現在は汐田総合病院、うしおだ在宅クリニック、うしおだ診療所にて勤務しています。今回は、私が担当させていただくことが多い「糖尿病」についてお話しさせていただきます。糖尿病は自覚症状がない間にも進行し、全身の血管にダメージを与える怖い病気です。

「血糖値が高い」って?

 皆さんは「血糖が高い」「糖尿病の『け』がある」「境界型糖尿病」などと言われたことや、周囲にそう言われた人がいませんか。
 でも、具体的にどのくらい高いと悪いのか、血糖値が高いことでどのような問題が起きるのかについてはあまり知られていないのではないでしょうか。

 

糖尿病の診断

 糖尿病の診断は症状や「血糖値」「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」で行います。「空腹時の血糖値が126mg/dl以上もしくは、随時または食後2時間での血糖値が200mg/dl以上」、そして「HbA1cが6.5%以上」の基準を用いて糖尿病と診断されます。一度きりの検査では分からないこともあります【図1】。
 また、境界型糖尿病とは、糖尿病の基準にあてはまらないものの、「食後高血糖(IGT)」「空腹時高血糖(IFG)」のものを言います【図2】。
 健診で「血糖」や「HbA1c」、「尿糖」などが引っかかった場合、受診する必要がありますが、診察結果によっては、追加の検査が行われます。その場合、「経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」という検査が行われることがあります。この検査は、糖尿病や境界型糖尿病を早期に発見するために行います。

 

(次月号に続く)

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