健康コラム

掲載日:2022年6月8日

もうすぐ夏!事前に食中毒について学ぼう!

汐田総合病院 初期研修医
丸岡 誉 医師

まず最初に

700 食中毒とは、名前に食とあるように食事によって引き起こされる下痢や腹痛、吐き気、嘔吐といった腹部感染症のことをいいます。

 原因としては細菌が最も多く、5~8月にかけて気温と湿度が高い環境では細菌の繁殖力が大きく上昇します。そのため農林水産省の令和2年度分の統計でも6月以降から細菌の食中毒が増え、一方で12月以降ではノロウイルスといったウイルスによる食中毒が増えています。

 症状は最初に述べたものがメインで、発熱が種類によって生じます。

知っておきたい原因菌

黄色ブドウ球菌

 弁当やおにぎりから生じる。細菌本体ではなくそれが分泌する毒素が原因なので加熱は効果がない。症状は急激に発生するが急激に軽快する。

腸管出血性大腸菌

 ベロ毒素を産生し、肉類に繁殖する。症状は貧血や腎臓機能を低下する。医療機関での治療を要する。

カンピロバクター

 家畜の消化管に生息し、特に鶏肉を媒体に感染する。発熱や腹部症状だけではなく、重度の神経障害をきたしうる。

ノロウイルス

 冬に多く、主に生ガキから感染する。症状は下痢や腹痛など腹部症状がメインであり、他の細菌性食中毒と変わらないがアルコール消毒が効果ない。次亜塩素酸ナトリウムが有効である。

食中毒の予防ポイント

 予防に大事なポイントは3つあります。1つは「付けない」で、黄色ブドウ球菌のように加熱消毒が無効な原因菌も存在するため、まずは付けないように衛生環境を整え、手洗いを徹底する。また新鮮なものをつかうことも大事です。

2つ目は「増やさない」で、この時期のように湿気が強いときは細菌が増殖するため購入後早い段階での保存に注意する。3つ目は「やっつける」で、しっかりとした加熱処理や食卓のアルコール除菌で細菌を除去することが重要です。

治療について

 自然軽快することもありますが、症状が改善しない場合は抗生剤が必要なこともあります。腹痛、下痢でも重い病気が隠れている可能性もあるため改善しないのなら医療機関にかかるのも大事です。

 基本は下痢で脱水傾向になるため補水が必要で、水でもいいですがポカリやOS1などの方がおすすめです。ただポカリに関しては糖分もあるため血糖値に注意し短い期間で飲みすぎないようにしましょう。

最近は

 コロナの自粛などでデリバリーやテイクアウトが増えていますが、調理してから時間が経っているため食中毒に注意する必要があることを知っておきましょう。