健康コラム

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口腔乾燥症について(後編)

汐田総合病院 歯科・口腔外科
元川賢一朗医師

①唾液腺マッサージ(図)

 口腔内の三大唾液腺や無数の小唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促します。特に回数などは決まっておりませんが、食事の前や、寝る前に実施したりと、自分で実施するタイミングを決めておくと習慣化できておすすめです。

②唾液分泌を促す食品の摂取

 ガム、スルメ、梅干し、レモン、酢の物など食品を摂取することで唾液腺を刺激して唾液の分泌を促します。また、ノンシュガーの飴もおすすめです。

③昆布茶うがい

 近年、昆布などに含まれるうま味成分(グルタミン酸)が、唾液腺を刺激して唾液の分泌を促すという報告があります。唾液の分泌量と分泌時間は、レモンなどの酸味を摂取した時よりも格段に優れていることもわかっています。方法は、塩分を摂取しすぎないように所定の分量の1/3の量の昆布茶を作り、30秒ほど口に中に含ませてください。その後は、飲んでもらっても吐き出しても構いません。

④お口を動かす

 よく咬んで食事をする、会話をする時間を増やすことでお口の中の唾液腺を刺激して、唾液の分泌を促します。入れ歯が合わない、虫歯があって食事ができない方は早期に歯科医院を受診してください。

 口腔乾燥症でお困りの方、何かご質問がある方は是非当院歯科・口腔外科を受診してください。

4-診療ウォッチング4月号イラスト_698号

図 唾液腺マッサージ

1.耳下腺(じかせん)

耳たぶのやや前方、上の奥歯あたりのほほに人差し指をあて、指全体でやさしく押します。酸っぱい食べ物を想像すると、スーッとだ液が出てくるところです。5〜10回繰り返します。

2.顎下腺(がっかせん)

顎下腺は、あごの骨の内側のやわらかい部分です。指をあて、耳の下からあごの先までやさしく押します。5〜10回繰り返します。

3.舌下腺(ぜっかせん)

舌下腺は、あごの先のとがった部分の内側、舌の付け根にあります。下顎から舌を押し上げるように、両手の親指でグーッと押します。5〜10回繰り返します。

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