健康コラム

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脳卒中について②

うしおだ診療所 副所長 加藤 崇之医師

 急性期脳梗塞の最新治療としては「t-PA静注治療」と「血栓回収治療」の2つがあります。

脳血栓を溶かして治療

*t-PA静注は、点滴によって血栓を溶かし、血流を再開通させることで治します。

 この治療が上手くいきますと、詰まった血管がまた流れるようになり、麻痺もなくなります。早く点滴を行えれば良くなる確率もあがりますし、後遺症も軽くなります。

 t-PA静注は発症4~5時間までと、限られた時間内で使うことが効果的です。

 開始するまでには、診察、血液検査、CTなどの画像検査、患者様への説明などで約1時間かかりますので、図のような症状がでたら、迷わず救急車を呼んだり、早期に医療機関を受診するようにしてください。

 発症時の梗塞巣が広範囲であったり、血圧が高い場合にも使用出来ませんので、そうした場合には血栓回収療法を行います。

*血栓回収療法には、ステントで血栓を絡みとる「ステント型」と、血栓を掃除機のように吸い取り回収する「吸引型」があります。血栓回収治療は、t-PA治療が間に合わなくても発症後8時間以内で行う事ができます。

脳出血の治療方法

 次は脳出血です。原因は高血圧が最も多く、CTでは出血部位が白く写ります。治療は注射や点滴などを使って血圧を下げ脳のむくみを抑え、手術によって血腫を取り除きます。

 くも膜下出血は原因として脳動脈瘤破裂によっておこります。症状はバットで殴られたような激しい頭痛、吐き気、意識障害などがみられます。治療は破裂した動脈瘤をクリッピングで止める方法とカテーテルをコイルで巻き付けて止める方法があり、今はコイルを使った方法が主流になっています。

661-3

「顔」Face
にっこり笑ってください。片側がゆがんでる。

661-2

「腕」Arm
手のひらを上に、両手を前方にあげてください。片腕があがらない。
661-4

「言葉」Speech
「今日は天気がよい」と繰り返し言ってください。ロレツがまわらない。

突然の顔、腕、言葉の異常は脳卒中かも!1秒でも早く救急車を!※英語の頭文字を取って「FAST」と覚えて下さい。

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