健康コラム

掲載日:2012年8月1日

虚血性心疾患とは


うしおだ診療所所長 長浜 政博

心臓は主に筋肉組織(心筋)から出来ています。心臓がきちんと収縮し仕事するためにはその心筋に酸素や栄養を送る必要があります。心臓の中を血液が流れていますが直接酸素などを取り込むことはできません。そのため心臓から大動脈にでた直後に左右各1本ずつ(左はすぐに2本に分かれます))冠状動脈と言われる血管が心臓の上を這っています。心筋専用の栄養を送る血管です。この血管が動脈硬化などで内部がせまく(狭窄と言います)なったりつまったり(閉塞といいます)すると心筋に栄養が行きにくくなったり、まったく途絶えてしまいます。これを心筋虚血と言います。心筋虚血から生じる心臓病を虚血性心疾患というのです。代表的なのが狭心症と心筋梗塞です。

心筋梗塞と狭心症はどう違うの?

狭心症は冠動脈に狭窄があり運動や精神的興奮などで心筋の仕事量が増えたときに(血圧の上昇と脈拍の増加)十分血流を増加させられずに虚血となり胸の絞られるような痛みが生じます。安静にすると仕事量が減り症状は消えます。心筋も障害を受けません。狭心症の中には変ったものもあり冠動脈には動脈硬化がほとんどないかあるいはあっても軽い動脈硬化しかないにも関わらず血管が一過性にけいれんを起こし内部がせまくなり虚血を生じるものもあります。

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心筋梗塞は完全に血流が途絶え、一定の時間が過ぎると心筋は死んで(壊死)しまいます。その部分は筋肉としての働きを失います。生き返ることはありません。そのため広い範囲の心筋が壊死を起こすと急性期にショックとなり死亡する事もあります。たとえ助かっても心臓の働きが大きく損なわれるという後遺症を残します。心筋に穴があいたり、不整脈のもとになったりすることもあります。ここが心筋梗塞と狭心症の決定的な違いです。