健康コラム

掲載日:2011年11月1日

歩行障害について「健康寿命を延ばしましょう」その1 頚椎症


汐田総合病院 脳神経外科科長 山内 達也 医師

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健康寿命という言葉をご存知でしょうか?健康寿命とは介護を必要としないで過ごせる年齢のことをいいます。

介護が必要になる原因はいろいろありますが、今回のシリーーズでは歩行に障害が出現する3つの病気についてご説明します。

歩くのが不自由になると健康寿命が縮んでしまいます。

しかし今回取り上げる3つの病気はいずれも適切に治療をすれば治る病気です。もし心当たりがあれば早めに受診することをお勧めします。

頚椎症は

「以前はスタスタ歩けていたのに、最近つまずきやすくなった」というのが特徴です。首の骨が変形し脊髄神経を締め付けることにより、脳の命令がうまく手足に伝わらなくなる為に生じる病気です。首肩こりや手足のしびれが初発症状であることが多いようです。初期の段階で適切に診断し、薬や運動療法などの適切な治療をすればほとんどは治ります。

しかし適切な時期に治療がなされなかったり、首のむち打ち事故などを契機に症状が進行すると、やがて歩行に影響が現れるようになります。症状が軽ければ、マッサージやリハビリ、薬で改善することがほとんどですが、治療で改善しない場合には手術治療が必要になることもあります。手術の場合当院では、安全性もほぼ確立され、通常は手術の翌日から起きることが可能で、約2週間の入院で、軽作業程度であれば退院後すぐに職場復帰も可能です。

しかし症状があまりにも進行してからでは、手術が困難になったり、長期入院が必要なったり、手術をしても症状が改善しないことがあります。

心当たりのある方は早めの受診を

心当たりのある方は神経内科・整形外科・脳神経外科へ早めの受診をお勤めします。

頚椎症は最悪の場合寝たきりになってしまう怖い病気ですが、病状の進行に応じて適切な時期に適切な治療をすればけっして怖い病気ではありません。

一番怖いのは気づかずに放置しておくことです。

「暮らしとからだ」第573号(2011年11月1日付)