健康コラム

掲載日:2009年11月10日

最大の原因は、タバコ?!─慢性閉塞性肺疾患とは─


みどり野診療所所長 豊田 浩二

慢性閉塞性肺疾患とは、Chronic Obstructive Pulmonary Diseases(COPD)です。 気道の慢性的な閉塞により肺への空気の流れが悪くなる病気です。具体的な病名は、肺気腫と慢性気管支炎のふたつが挙げられます。

2001年の調査では、日本国内の約530万人がCOPDを患っているという結果が出ました。

▽慢性気管支炎(気道病変)

健康な気管支では空気の通り道が確保されているので、空気の流れがスムーズに行なわれますが、有害な物質を吸いつづけて慢性気管支炎(気道病変)になると、慢性的な炎症により厚くなってしまった気管支の壁が空気の流れを悪くし、また粘液の分泌が増加して咳や痰(たん)が出やすくなります。さらに気管支に痰(たん)がつまることで、細菌やウイルスが侵入しやすくなり、感染症などを併発するようになります。

▽ 肺気腫

肺はちょうどスポンジの泡状の肺胞と呼ばれる小さな空洞の集まりです。

肺気腫ではこの空洞が壊れて大きくなります。肺では酸素を取り入れていますので、肺胞が壊れてくると十分な酸素が取り込めなくなります。そのため息切れが起こるのです。

健康な肺は、肺胞(肺を構成している無数の小さな袋)の壁にある毛細血管を通じて、吸い込んだ空気中の酸素と血液中の二酸化炭素を交換し、その後肺自身の持つ弾力性によって二酸化炭素を吐き出します(これがいわゆる「呼吸」です)。しかし有害な物質を吸いつづけて肺気腫になると、肺胞の壁が破壊されるために毛細血管の数が減少し、酸素と二酸化炭素の交換機能が著しく低下してしまいます。また肺胞が大きくふくらんでしまうために肺の弾力性がなくなり、空気をうまく吐き出せなくなって呼吸困難を起こすようになります。一度破壊された肺胞はもとに戻りません。

▽原因は

喫煙をはじめとして、加齢やウイルス感染などがありますが、やはりCOPDを引き起こす最大の原因は、タバコ!喫煙です。また他人のたばこの煙を吸わされること(受動喫煙)も発症の原因となる可能性が指摘されています。

副流煙には主流煙より

  1. ニコチンが2.8倍
  2. タールが3.4倍
  3. 発ガン物質として有名なニトロサミンは5.2倍

喫煙者よりも周りにいる人間がタバコの害にさらされます。

皆さん、タバコはやめましょう。

「暮らしとからだ」第549号(2009年11月付)