健康コラム

掲載日:2009年10月8日

パーキンソン病の治療


汐田総合病院神経内科 菊池雷太医師

前回はパーキンソン病の原因と症状についてのお話でした。今回は治療についてです。

パーキンソン病は線状体でのドパミンが減少して様々な症状が起こるため、線状体でのドパミンを増やしてあげるのが治療です。治療の基本は薬物療法です。薬物には数種類ありそれぞれに特徴があり、必要に応じて組み合わせて服薬する必要があります。どの種類の薬物も病気を根本的に治療する「原因治療薬」ではありません。不足しているドパミンを補うことで症状を緩和する「補充療法薬」です。

代表的な薬物はL-dopaで最も強力なパーキンソン病治療薬です。1970年代のこの薬の登場はパーキンソン病の治療に画期的な進歩をもたらしました。それまで発症後5年で寝たきりだったのが、10年経っても歩けるようになりました。ところがL-dopaの服薬期間が長くなると、さまざまな問題が起こります。最大の問題は薬効の変動です。L-dopaは作用時間が短いため、内服すると急に動けるようになりますが、2時間もすると効果が切れて急に動けなくなります。効果が切れるのを恐れてL-dopaを過剰に服薬すると、今度は身体が勝手に動く不随意運動(ジスキネジア)が出現します。

このL-dopaの副作用を克服するために開発されたのが、作用時間の長いドパミン受容体刺激薬(アゴニスト)です。ドパミンアゴニストは長くのみ続けても薬効の変動が生じにくいです。しかしL-dopaより効くのに時間がかかり、また吐き気や幻覚・妄想などの副作用が出やすいという問題があります。効果は確実で、高齢者は薬効の変動やジスキネジアが起きにくいと言われています。この二つが代表的ですが、その他にも薬は開発されています。パーキンソン病の症状によって内服する薬も使い分けていきます。

神経内科医が治療をしていきます。わからない点があれば聞きにきてください。

「暮らしとからだ」第548号(2009年10月付)