健康コラム

掲載日:2009年8月3日

非アルコール性脂肪肝「メタボリック症候群が、脂肪肝に?!」


汐田総合病院内科 市川 順治医師

脂肪肝とは肝臓に脂肪が溜まった状態ですが、その原因は様々です。アルコール、ウイルス肝炎、薬剤、特殊な代謝性疾患などもありますが、ここでは過栄養によるものについてお話しましょう。

非アルコール性脂肪肝は大量の飲酒歴がなく、肝機能検査で異常があり、腹部エコーやCTで肝臓に脂肪沈着が認められるものです。これは、メタボリック症候群の肝臓における表現型とされています。肥満症、糖尿病、脂質代謝異常、動脈硬化、高血圧などが集積した病態であり、単なる肝臓の病気というものではありません。

一般に非アルコール性脂肪肝は、肝臓の病気としては良好なものと考えられてきましたが、このなかに肝硬変に進んだり、肝臓癌を合併したりする場合があることが20年ほど前に報告されました。NASHと呼ばれるものですが、非アルコール性脂肪肝の1割ほどが、この状態と言われています。

NASHとそれ以外の非アルコール性脂肪肝の区別は、現在のところ、血液検査などでははっきりと出来ず、肝生検(肝臓の組織を採取して顕微鏡で調べる検査)が必要とされています。

食事療法と運動療法が有効

治療法は、先にも触れたように非アルコール性脂肪肝は肥満症、糖尿病、脂質代謝異常、動脈硬化、血圧などが集積した病態であるので、これらの治療が必要になります。NASHを含む非アルコール性脂肪肝に特化した確立した治療法というものはなく、食事療法と運動療法が有効とされています。

食事療法と運動療法はお金もかからず、他の健康面での効果も大いにありますので、脂肪肝と言われた方は頑張ってみませんか。

「暮らしとからだ」第546号(2009年8月付)