健康コラム

掲載日:2009年5月1日

虚血性心疾患 最近の診断


循環器 菊池 正医師

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の診断についてお話しします。狭心症、心筋梗塞とは、心臓の周りの冠動脈が動脈硬化により狭窄、閉塞する病態をいいます。長時間歩くと足が痛くなる閉塞性動脈硬化症や脳梗塞の既往のある方も、高率に冠動脈硬化を伴っています。

若年層にも増加

従来日本人は欧米人に比べ脳卒中の頻度が高く、虚血性心疾患の頻度が低いことが特徴とされていました。近年、食習慣の欧米化、運動不足により、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満が増加、喫煙人口の増加で、高齢者だけでなく若年層にも狭心症、心筋梗塞が増加してきています。

症状のある方、危険因子をお持ちの方は

禁煙、生活習慣を改善して、発症を予防することは言うまでもありませんが、最近階段の上りで息切れや胸の圧迫感、長時間の歩行で足や臀部に痛みを感じる方、症状がなくても、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの危険因子をお持ちの方は、年齢のせいだと自己判断せず、まずは当院循環器専門外来受診をお勧めします。(毎週月、火曜日午前)

最近の虚血性心疾患の診断ですが、冠動脈CTで診断し、カテーテル治療にもっていくもが主流となっています。循環器領域において冠動脈CTの導入が始まって約十年、その進歩は目覚しく、[人体にやさしい][低侵襲]が受ける時代を反映して、その地位を確立したように見えます。数年前まで最終確定診断検査であったカテーテル冠動脈造影に取って代わりつつある施設も多いのが現状です。当院でも、症状のある方はもちろんですが、症状がなくても危険因子をお持ちの方も、鶴見循環器クリニックと提携し、積極的に冠動脈CT検査を行っています。

これからの医学は、発症前に病気を発見し、発症を未然に防ぐ予防医学が重要と考えます。

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胸痛のため冠動脈CT施行。

左前下行枝に90%の狭窄認める。


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心カテーテルで同部位に90%狭窄を認めた。


「暮らしとからだ」第543号(2009年5月付)