健康コラム

掲載日:2005年8月1日

禁煙のススメ(1)


汐田総合病院は敷地内完全禁煙を実施します

汐田総合病院院長 窪倉 孝道医師

汐田総合病院では、八月から「タバコ問題に主導的役割を果たすことが社会的にも期待されている医療機関としての立場を明確にし、病院としての総合的な禁煙対策を抜本的に強化するために、敷地内完全禁煙」を実施することになりました。

タバコを吸うと肺や気管支に悪いことを知っている人は多いと思います。しかしタバコの害は、それだけではありません。やめたい人もそうでない人も、タバコの害を知り、考え、行動して欲しいと思います。禁煙支援のための無料講座や禁煙外来を実施しておりますので、自分ひとりで禁煙が困難な場合は主治医または看護師に遠慮なくご相談ください。「いつでも元気」七月号に記載されたものをシリーズで記載します。

無料禁煙講座 毎月第1、3金曜日午後1時~2時
禁煙外来(予約制) 毎週火曜日午前11時~、毎週水曜日午後5時半~

四十種類以上も発癌物質が

タバコの煙には約四千種類もの化学物質が含まれ、有害と認定されているものは二百種類あります。そのうち四十種類以上に発がん性があるといわれています。特に健康に有害なのがタール、ニコチン、一酸化炭素、刺激物質と微細粒子です。

タールには多くの発がん物質が含まれています。付着したところから細胞内のDNAを傷つけ、がんを誘発します。喫煙者の発がんリスクは、非喫煙者の何倍にもなります。

ニコチンは鼻や口の粘膜、灰や皮膚のどこからでも血中に入り数秒で全身に達します。母乳や胎児へも移行します。ニコチンの代謝は非常に早く、三十分後には半減し、最終的には尿といっしょに排泄されます。

ニコチンは副腎皮質を刺激してカテコールアミンという物質を分泌させて抹消血管を収縮させ、血圧上昇、心拍数の増加をもたらします。中枢神経にも作用し、興奮作用だけでなく摂取後の時間の経過、体内濃度の変化によって鎮静作用ももたらすといわれています。

タバコの煙には1~3%の一酸化炭素が含まれています。一酸化炭素は、酸素を運ぶ血中のヘモグロビンに強く結びつき、酸素を運ぶ能力を低下させます。そのため喫煙は慢性的な酸素欠乏状態を生み、運動能力を低下させます。このため、酸素の欠乏を補おうとして赤血球が増加し、血液をどろどろにします。さらには血小板の凝集作用を高めて、血栓症(血管が詰まる)を起こしやすくします。また、血管の壁を保護する血管内皮細胞を傷つけたり、余分なコレストロールを血管壁から取り除く働きを持つHDLコレストロール(善玉コレストロール)を低下させて、動脈硬化を進行させます。

煙に含まれる微細粒子や刺激物質はぜんそくや肺気腫などを起こす原因となります。タバコの煙は主流煙(人が吸って吐く煙)と副流煙(タバコから直接出る煙)に分けられますが、刺激物質などの有害物質は副流煙に多く含まれます。副流煙は強アルカリ性でもあり、粘膜への刺激が強いといわれています。

「暮しとからだ」2005年8月付