お知らせ

掲載日:2013年2月2日

院内インフルエンザ集団感染の経過について


本年1月になってから、神奈川県でのインフルエンザ感染症が爆発的に増加し、31日には県からインフルエンザ流行発生警報が発令されました。そうした中で、当院は地域病院として外来や救急の現場に来院する多くのインフルエンザ感染症患者に対して水際対応に努め、やむを得ない場合の入院対応など尽力していますが、今回当病院内でのインフルエンザ集団感染の発生と思われる状況を確認しました。事態の発生をできるだけ早く公表して地域住民の理解と協力を得ること、および同様のリスクを負いながら地域医療を守っている医療機関への注意の喚起も同様に重要と考えて今回の公表に至りました。

概要は下記の通りです。

概要

平成25年1月29日から同一病棟で発熱患者の急激な増加が観察され、30日の時点で6名、2月2日午前の段階で13名の患者がインフルエンザA型感染と診断されました。その他、患者の感染と前後して罹患した職員が当該病棟に2名いました。また、インフルエンザに罹患した患者のうち3名が30日から31日にかけてお亡くなりになりました。これらの患者は、80歳代男性2名、70歳代男性1名、でありいずれも複合した内科的基礎病態にて入院しており、治療中でした。また、いずれの患者も、インフルエンザA型に感染する以前において、DNRといわれる急変時の蘇生処置回避の合意を家族と取り交わしている状況にありました。すなわち、亡くなられた方々はもともと体力や抵抗力の弱った状況にあり、早晩の病状急変が予期される方々でした。そうした状況に対して、インフルエンザ感染による発熱や心肺機能への負荷が加わり、病状の急激な悪化が生じたものと考えられました。インフルエンザの診断がついた直後より、感染患者には抗インフルエンザ薬を経口的あるいは注射にて投与し、感染患者との接触が確認されたその他の患者への予防的投与も開始していましたが、上記3名の患者は30日午後から31日午前にかけて、従前の取り決めの通り蘇生処置を施されることなく、相次いでお亡くなりになりました。病気を治療する病院内において、新たな感染症によって患者の余命に悪影響を及ぼしたことは誠に遺憾であり、この点に関しては患者のご家族にも率直に説明し、ご理解を頂いているところです。

感染対策の現状

これまでも当院では、院内感染防止のための標準予防策や院内サーベイランスの徹底、職員への予防接種などに努めてきました。とりわけ昨年末からのノロウイルス感染症の流行と年明けからのインフルエンザ感染症の急増に対して、院内での注意の喚起を強化してきました。それにもかかわらず生じた今回の院内インフルエンザ集団感染の発生を経験して、職員の健康管理や標準的予防策の徹底、年末年始に増加した見舞い客への対応などにゆき届かない点があった可能性もあると考えています。集団感染把握後の対策として、30日の夜に院内での集団感染を疑い、31日午前には保健所への報告・届出を行って行政からの指導援助を受けました。これらと同時並行的に、院内感染対策チームを中心に①患者・職員の体調・発熱状況の適時把握、②全病院的な面会制限、③病棟間伝播を防ぐための検査・リハビリ制限、④インフルエンザ罹患患者の隔離対策、⑤抗インフルエンザ薬の当該病棟全入院患者への予防的投与、などを全力で行っている状況です。

公表に当たって

インフルエンザに限らず、地域で季節的な感染症が増加している折に、地域の財産である病院において集団感染症が発生したことは誠に残念であり、大いに反省すべきことと受け止めています。現在もなお集団感染が確実に制御されたといえる段階ではありませんが、事態の発生をできるだけ早く公表して地域住民の理解と協力を得ること、および同様のリスクを負いながら地域医療を守っている医療機関への注意の喚起も同様に重要と考えて今回の公表に至りました。この結論は、今日までの間に患者のご家族へもお話し、警鐘的事例として公表することを了解いただいたことを申し添えます。

本件に対するお問い合わせ先

汐田総合病院 管理室

担当 井町、大山、小川

電話 045(574)1011(代表)