健康コラム

掲載日:

脳梗塞について(1)

汐田総合病院 神経内科 廣瀬 真次医師

脳梗塞とは

脳に酸素や栄養を運んでいる動脈が詰まったり、狭くなったりして血流が悪くなり脳の細胞が壊死することをいいます。後遺症が残ることが多く、死亡につながることもある怖い病気です。日頃からの予防と、万一脳梗塞になってしまった場合には迅速な対応が重要です。

主な症状は

症状やその程度は障害を受けた脳の場所と範囲によって異なりますが、片方の手足・顔半分の麻痺・しびれ、呂律が回らない、言葉が出ない、人の言うことが理解できない、立てない・歩けない、物が二つに見える、めまい、意識障害などがあります。

このような症状が急に現れたときは、脳梗塞の疑いがありますので大至急受診することが大切です。当院では脳梗塞治療の24時間体制をとっておりますので、様子をみようと思わずに救急車で受診して下さい。

症状が数分から数十分程度で、長くても翌日には治まってしまう一過性脳虚血発作は、脳梗塞の前兆とも言われ、将来脳梗塞に進行する危険性が高いので、受診が必要です。

治療は

脳梗塞治療の目的は、脳梗塞に陥る範囲を最小限に抑え、後遺症を防ぐことです。発症から時間がたつほど障害が広がり、後遺症も重くなるため一刻も早く治療を開始することが重要です。

日本では2005年10月から血栓溶解薬であるt-PA製剤が使用できるようになりました。この薬は血栓を強力に溶かすことで劇的に症状を改善させることがある一方で、出血を引き起こすことがあり、投与に際しては十分な注意が必要とされています。

投与できるかどうかについては、いくつかの条件があります。まず、脳梗塞が起こってから3時間以内に、投与を開始できることが必要となります。既往症や症状、血液検査やCT検査などの結果で条件を満たした場合にのみ治療薬が使用可能となります。条件の確認には1時間程要しますので、症状が現れてから遅くとも2時間以内には病院に到着していただく必要があります。したがって、脳卒中の症状が出たらすぐに救急車を呼んで、病院に搬送してもらうことが大切です。

t-PA製剤の投与条件を満たさなかったり、治療開始まで3時間を過ぎてしまった場合には、他の治療となります。代表的なものには、抗血小板薬、抗凝固薬、脳保護薬などがあります。治療は患者様の状態に合わせ、最善の治療を選択して行うことになります。

「暮らしとからだ」第576号(2012年2月1日付)

健康コラムの一覧へ