健康コラム

掲載日:2011年2月10日

「便潜血検査」は大腸がんの精密検査が必要な人をすくいあげる負担の少ない検査です


汐田総合病院外科 三浦 康誠医師

大腸がんのスクリーニング(検診)の代表的なものは、地域、職域で普及してきた大便の免疫学的潜血反応で、食事制限なく簡単に受けられる検査です。健康な集団の中から、大腸がんの精密検査が必要な人を拾いあげる負担の少ない最も有効な検査法です。大腸の中に潰瘍やポリープ、がんができていると出血がみつかることがあります。体外に排出された便の中に血液の反応があるかどうかを調べ、身体の中の出血がないかどうかを確かめる検査です。

40歳を過ぎたら受けましょう

もちろん、出血があったからといってがんだというわけではありませんが、身体のどこで、どんな理由で出血が起きているかを調べるため、精密検査が必要になります。逆に陰性でも「大腸がんはない」ともいえません。「便潜血検査」で陽性(要精密検査)となるのは大腸癌の50%とポリープの10%です。つまり、大腸癌患者の2人に1人と、ポリープのある患者の10人に9人は異常なしと判定されてしまいます。しかし有効な検査であることは間違いないので、40歳を過ぎたらこの検診を受けることをお勧めします。

便潜血検査で陽性になったら

精密検査を受けていただきます。精密検査を行う場合は以下のようなものがあります

1)注腸造影検査

肛門からバリウムを注入し、X線写真をとります。この検査でがんの正確な位置や大きさ、腸の狭さの程度などがわかります。

2)大腸内視鏡検査

肛門から内視鏡(ビデオスコープ)を挿入して、直腸から盲腸までの全大腸を詳細に調べる検査です。通常はこの検査にて確定診断となります。

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3)腫瘍マーカー

CEAとCA19-9と呼ばれるマーカーが一般的ですが、進行大腸がんであっても約半数が陽性を示すのみです。腫瘍マーカーは転移・再発の指標として用いられます。

4)画像診断(CT、MRI、超音波検査、PETなど)

大腸がんに関しては、原発巣での進みぐあいと肝臓や肺、腹膜、骨盤内の転移・再発を調べるために用いられます。

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「暮らしとからだ」第564号(2011年2月1日付)