健康コラム

掲載日:2010年6月7日

高脂血症は怖い病気の原因に


みどり野診療所所長 豊田 浩二医師

ushioda-556-1心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす動脈硬化の原因、その1つが高脂血症です。

高脂血症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)などの脂肪成分(脂質)が、正常の状態より多い病気です。過剰なコレステロールが血管壁にたまり、粥(かゆ)のようなドロドロした塊(粥腫(じゅくしゅ))に成長します。

この塊は血管の内側を狭くし、血管は厚く硬くなります。この状態が動脈硬化(アテローム性動脈硬化)です。アテローム性動脈硬化を起こしている血管にある粥腫はやぶれやすい状態になっています。

粥腫がやぶれると血小板などが集まってきて血栓(血の塊)ができます。これはけがをしたときにかさぶたができるのと同じことです。

動脈硬化を起こした心臓や脳の血管が血栓などで詰まると、心筋梗塞や脳梗塞などが発症します。高脂血症はこれらの恐ろしい病気と深いかかわりがあるのです。

健診が重要

高脂血症は自覚症状がほとんどないため、多くは健康診断などの血液検査で発見されます。高脂血症の診断は、コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)、またLDLおよびHDL中のコレステロール(LDLコレステロール、HDLコレステロール)の値によって行われます。どの値が異常かということで、高脂血症のタイプが分かれます。まずは、ライフスタイルの改善が求められます。

ライフスタイルの改善を

ライフスタイルの改善には、1.禁煙、2.食生活の改善、3.適正な体重の維持、4.積極的な運動の4項目が挙げられます。これらを行っても、目標となる血清脂質値(コレステロールや中性脂肪などの値)を達成できない場合は、薬剤による治療が行われます。

高脂血症の治療を行う上で重要になることは、血液検査によるコレステロールや中性脂肪などの検査値異常とともに、動脈硬化を引き起こす危険性がある他の危険因子の存在です。その危険因子とは、年齢や他の病気(高血圧や糖尿病)、喫煙の習慣、心筋梗塞や狭心症の有無などです。これらの危険因子の有無や数によって、目標となる血清脂質値は異なります。

「暮らしとからだ」第556号(2010年6月付)