健康コラム

掲載日:2008年12月1日

アトピー性皮膚炎


小児科 宇野 律子医師

アトピーという言葉は、「不思議な、奇妙な」を意味するギリシャ語のアトピアがもとになっています。この言葉どおり残念ながらいまだに病気の全体像がはっきりとはわかっていません。良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を特徴とする病気です。アトピー性皮膚炎が一番多くみられるのは子どもです。約80%の患者さんは5歳までに症状があらわれます。また最近は成人のアトピー性皮膚炎が増えてきています。

一般的には乳幼児の頃に始まり、10代に入ると自然に良くなってしまうと言われていますが(幼児のアトピー性皮膚炎の90%以上が小学生、中学生までに治るといわれている)実際には発症する時期も乳幼児期だけでなく、小児期や大人になってからの発症もあり、その経過も完全によくなってしまうケースや、再発するケース、長年にわたり症状が続くケースなどがあります。

症状は年齢によって違います

乳児の場合、顔面や頭部に赤い発疹や盛り上がった発疹が見られます。幼児になると赤い発疹や盛り上がった発疹が首やわきの下、ひじやひざの裏側に出来ることが多いです。

乳幼児とも耳たぶが切れることがあります。その他、皮膚のきめがあらくなってごわごわした状態になったり、乾燥肌になることがあります。かゆみをともなうため、引っかき傷があるのも特徴です。かゆくてじっとしていない、落ち着きが無い子どもと見られることもあります。

アトピー性皮膚炎の原因は

原因は1つだけとは限りません。複雑で多くの原因が関与していると言われています。

アトピーとアレルギーとはほぼ同じ意味の言葉ですが、アレルギーだけではありません。また原因は年齢によっても違います。年齢が小さいうちは(とくに1~2歳まで)食事アレルギーの関係する割合が多く、年をとっていくとダニやストレスの割合が多くなったり、逆に1歳過ぎたら急にアトピーが良くなることもあります。たいていの場合いくつかの原因が関係しているので、掃除の徹底、厳格な食事制限などではあまりよくなりません。逆に栄養失調、成長障害が起こることもありますので自分で判断しないで 病院に行くことをお勧めします。

治療について

目的は 普通の治療で普通の生活

1)基本はスキンケア(皮膚のお手入れ) 汗、食べ物、よだれなどがついたら、すぐ洗い流す。

2)原因の除去(アレルギーの元になるものを身近に置かない) 食べ物、花、ぬいぐるみ、ペット、カーペット など

3)薬 飲み薬、アレルギーを予防する薬、かゆみを抑える薬、塗り薬、消毒、保湿、化膿している場合は抗生物質が入っている軟膏、ステロイド剤など症状によって使い分けします。

完全に治るのがなかなか難しい病気ですが、薬で症状を和らげたり、工夫でかなり改善できます。

「暮らしとからだ」(2008年12月1日付)