健康コラム

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子どもの喘息、治療と予防

小児科科長 宇野 律子医師

原因は

原因は みな同じではなく、また、一人の患者でも複数の原因があります。多くの場合は(約90%)がアレルギー体質によって起こります。最近は血液や皮膚テストによるアレルギー検査ができます。アレルギーの原因としては、ダニ、ハウスダスト、動物、食べ物、ぬいぐるみ、花粉などがあります。アレルギー以外にも、運動、天候の変化、感冒などの感染、大気汚染、タバコ、お線香、花火、たき火、スプレー、緊張やストレスなどが原因になることがあります。運動では、かけっこ、マラソンなどで発作が起きやすく、水泳では起こりにくいとされています。原因が分かったらそれを取り除いてやることで症状を軽くして、発作の回数を減らすことができます。

治療は

発作時治療と予防治療で約70~80%が思春期までに治るとされています。

予防治療

1)環境整備として、発作を起こしやすい、悪化しやすい原因の除去。新築や移転をする場合、床はフローリングで掃除がしやすく、日当たり風通しが良い部屋を選び、また疲労やストレスをためないライフスタイルも重要です。

2)薬物治療では、発作を起こしにくくする治療として、抗アレルギー剤を飲んだり、かぜをひいたら早めの受診などがあります。季節の変わり目などの定期的な受診が必要です。

発作時治療

発作が起こった時は、痰などで狭くなった気管支を拡げて発作を抑える薬やアレルギーの影響を受けないように抗アレルギー剤も一緒に使います。発作の程度で吸入、内服薬があります、副作用なども少なく比較的安全な薬ですが、症状が改善されなく、医師の指示以上に飲ませたり、吸入したりすると中には心臓に負担がかかる薬などもありますので、必ず受診して医師の指導を守ってください。

「暮らしとからだ」(2008年11月1日付)

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