健康コラム

掲載日:2009年3月2日

認知症の正しいご理解を(3)


リハビリテーション課部長 宮澤由美医師

予防にはどんなことが必要?

認知症の原因となる病気はたくさんありますので、ここではアルツハイマー型認知症の予防を取り上げて考えてみます。食習慣ではビタミン、低脂肪食、野菜や果物、魚の摂取が推奨されます。健康的な食事としてよく言われる、材料の品目が多く、バランスが取れた食事、とりわけ、低脂肪、野菜・魚が中心の食事がいいようです。原八分目やよくかむことも当然ながら必要でしょう。食事などの生活習慣は毎日のことなので、その積み重ねは大きな影響を持ちます。

禁煙も長く、認知症の予防に役立つかどうか議論が分かれてきましたが、最近は役立つとする報告が多く、喫煙者は1.79倍、認知症の発症リスクが高まるとの報告もあります。

飲酒は、少なくとも大量に飲むと脳細胞が病的に破壊され、認知機能の低下を招きます。深酒の習慣は改めたいものです。

その他にお勧めしたいのは

運動と刺激ある生活、アロマオイルなどです。運動は適度に行い、週に三回くらい継続するといいでしょう。ネズミの実験でも、全く運動させないと、脳に早く異常蛋白がたまるという報告がでています。

運動の他に、読書、楽器演奏、ゲーム、ダンスなど、本人が楽しみ、日々の暮らしの張り合いになるものがあると、刺激ある生活ができます。

アルツハイマー型認知症の早期の症状に嗅覚低下が見られるという報告に基づき、嗅覚を香りで刺激する方法として、アロマオイルを使う方法があります。いい香りをかぐことによる精神の鎮静作用やリラックス作用も同時に得られます。オイルの種類によって、“眠くなる”“からだが温まる”などの効用があります。効用を知った上で使用するほうがいいでしょう。

日常生活で実践できる「物忘れ防止10か条」

1,塩分と動物性脂肪を控えたバランスの良い食事を心がけよう
2,適度に運動を行い、足腰を丈夫にしよう
3,深酒とたばこはやめて、規則正しい生活を送ろう
4,生活習慣病(高血圧・肥満など)の予防・早期発見・治療をしよう
5,転倒に気をつけよう
6,興味と好奇心をもつようにしよう
7,考えをまとめて表現する習慣をつけよう
8,細やかな気配りをした、よい人間関係を築こう
9,いつも若々しく、おしゃれ心を忘れずにいよう
10,くよくよしないで、明るく前向きに生活しよう

「暮らしとからだ」第541号(2009年3月1日付)